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 新世紀エヴァンゲリオン 蘊蓄コーナー
 過去の蘊蓄('03〜'00)

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 最近のアニメ(2003年1月編・後編)

 結局、つまみ食い状態ながらも、見ていると言えるのは「ストラトス・フォー」だけ。

 設定の感じからして「トップをねらえ」っぽい、シンプルな根性ものかと思ったら、謎含みの展開になってきましたね。(おっとぉ、王立宇宙軍かい…?)

 初回から、迎撃機がTSR.2なので気にはなってましたが、第4話では練習機がYak-28だったりするのを見ると、明らかに確信犯ですね。
 あと、オープニングのデルタ翼は何でしょうか?
(機体の形状はB-58っぽいのですが、エンジンポッドがありませんし…)

 迎撃システムはADCOMを意識しているようですが、ADCOMの場合、パイロットは座っているだけ(というか、余計な操作は禁止されていた)なので、「勝手な行動をとるパイロット」というのも含めて、まぁ、お約束ですかね。

 ただ、相手がコメット(ってそもそも叩く必要があるのだろうか…)やメテオならコースは正確に計算できるので、地上もしくは衛星軌道から核ミサイルを打ち込むことが十分可能だし、運用コストもずっと安く済む筈。予算の大半は、いかに早く見つけるかに費やされるべきでしょうね。

 ところで、話数が100番台というのも、センチュリーシリーズ狙い…かな…
(確か、ブースターによるゼロ距離発進って、F-100あたりで実験してたよなぁ。)
(2003/03/29)

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 最近のアニメ(2003年1月編・前編)

 暫く前、WOWWOWがアニメづいていた時期がありましたが、年が明けてからは、(首都圏では)UHF各局とCSのキッズステーションが新作ラッシュです。

 ざっとリストアップしても、

○ストラトス・フォー
○MOUSE + ぱにょぱにょデ・ジ・キャラット
○サイキックアカデミー煌羅万象
○奇鋼仙女ロウラン + プリンセスチュチュ
○らいむいろ戦奇譚
○ビッグオー
(注:もしかして私が知らないだけで、旧作を含んでいるかも…)

 とはいっても、これらはOVAを、発売と同時に(または先行して)放送しているように思えます。
 以前はまず、キー局制作のテレビ本放送(そのため、視聴率低迷による打ち切りもしばしば)があって、その後しばらくたってビデオが発売される、というパターンが殆どだった訳ですが。(いまでも「主流」ではあると思いますが。)

 このタイアップ?形式は、制作側は放送権料という安定収入を見込め、局側は制作にまつわるリスク(作業の遅れなど)を回避できる、というように、両者にとってメリットがあるということなのでしょうか?

 あるいは、先行したいくつかの作品(例えば、こみパ)で、OVA作品の発売&同時放映が、思っていたほどのデメリットがないという実績があったのでしょうか?
(最近は購入特典が充実しているし、DVD等はさほど高価ではないので、テレビで見てもやっぱり買う、という人が多いのかも。)

 そういえばニュータイプは、ここんとこ付録のDVDに(過去の)作品まるごと収めていたりして、従来とは権益構造が変化してきているのかもしれません。
(それとも単に、激安、爆安の波がアニメ界にも押し寄せている、ということなのだろうか…)

 それと、30分枠で2作品抱き合わせ、というのが増えていますね。これもリスク分散対策なのでしょうか?
 それとも、伏線張りまくりの長編は見る方がついてこれなくなっていて、(マンガでいえば4コマのように)ストーリーよりはエピソード重視の作品が増えているということなのかな?
(2003/01/26)

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 パトレイバー祭り

 WOWOWでのパトレイバー3連発、見ました。
 1,2は何度も見ていますしビデオも持っていますので、見る必要はなかったのですが、見始めるとつい最後まで見てしまいます。(1は何度見ても傑作ですね。)
 で、本命は勿論「WXIII」な訳ですが、以下、軽くインプレッションなど。

(1) 2がオリジナルシリーズ第5,6話のリメイクとすれば、WXIIIは明らかに第3話(からギャグ、パロディ色を払拭したリメイク)である。
(2) 愛する人の細胞を組み込んだ怪物は、まんま「ゴジラvsビオランテ」である。
(3) 特車2課の連中は、完全に不要である。というか、パトレイバー自体、不要である。
(4) 作画や場面単位の演出はさすがというべきだが、ストーリーテリングという点では、特に1あたりと比較すると落ちる。
(5) かと言って、なにがしかの形而上学的考察も汲み取れなかった。(これは単に私の能力不足によるものかもしれませんが。)
(6) アナログオーディオは、ストーリー展開上の伏線として必要だっただけかもしれないが、一アナログファンとしては機器構成に不満が残る。(プレーヤーはせめてトーレンス、できればEMT。カートリッジはオルトフォンのSPU-Aあたりをアップで欲しかった。)

 ということで、私にとっては、位置づけがどうもよく分からない作品と言えます。

 日本では、ブランドとして認められていないものにはスポンサーが首を縦に振らない、というのは常識なので、(既にブランドとして確立しているパトレイバーの名を借りて)好きなこと(注)をやった、という位置づけなのでしょうか。

 だとすると、邦画各社の「○○まんが祭り」のように、(ガンダムのような)企画通過装置として、季節の風物詩化していくのでしょうか…

注)上記(2)がキモのような気もするが、これは「モラルハザードをも巻き込んだ『暴走する愛』」であり、ある種の「建前論vs本音論」が展開されてもいいはずなのに、まったく触れられていない。「現象だけ描くから、意味づけはそっち(観客)でやってくれ」ってことなのか。それとも、怪獣もの以外の特撮映画(「電送人間」「ガス人間第1号」など)が絶えて久しい中、そっちの路線を狙ったのか。

P.S.
 押井守氏がほんとにやりたかったのは「ミニパト」だ、というのは、見てすぐに分かりました。押井版「紅の豚」ってところでしょうか。
(2002/12/07)

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 最近のアニメ(2002年10月編)

 …ってゆーか、いよいよ見るもののない冬の時代に突入…。年明けまでじっと我慢か。と言うわけで、既に終わってしまったものなども含めて、雑感など。

<ギャラクシーエンジェル>
 主題歌は前回の方がよかったなぁ。「まんもす〜まいる〜ぅ」って、まだ頭にこだましているもの。
 あ、いえ、それだけっス。

<陸上防衛隊まおちゃん>
 深夜枠ではこれだけになってしまいました。BGMがピアノソロ、っていうのは過去にもあったっけ…。しかし、陸海空それぞれの兵器のバランスのとれなさ具合が微妙にいいですね。(なぜ海だけ非軍用なのでしょう。)
 ところで、最近の戦車って砲塔要員と操縦士は完全隔離されているんですねぇ。(ディスカバリーチャンネルの番組で知りました。)
 ちなみに、巫女さんの方は見てません。

<あずまんが大王>
 結局見切ってしまいました(^^)ゝ。最初から話数が限られているからなのか、普通に入学して普通に卒業していったのが、かえって新鮮でしたね(この類の話って、だいたいが時の止まったモラトリアム状態が標準、というのが個人的印象)。見終わって、人気の秘密が何となく分かった気がします。「日常を日常として(エッセンスを抽出するのではなく)そのまま描く(とどうしても情報量が欠落する)ことで生じるある種の癒し」ってとこか。ところで、主題歌の「Oranges&Lemons」って、てっきり矢野顕子+坂本美雨だと思ってましたが、違うんですね…

<天地無用!GXP・ちょびっツ>
 深夜枠の宿命と言うべきか、どっちもやたらと放送時間が変動するんで、追いかけるのが大変でしたね。おかげで天地は最終回を見逃してしまいました(T_T)。Gコードって、こういう時間のズレまでは追いかけてくれないんですよねぇ。デジタル化されれば少しは楽になるのでしょうか?
(2002/10/19)

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 最近のアニメ(2002年5月編)

 BS-2とWOWOWに見たいものがなくなって、ちょっと寂しいこのごろですが、雑感など。

<ぴたテン>
 女の子に「〜っス」は、反則だと思う…。(いよいよ語尾変化のバリエーションが尽きてきたか。)
 あ、いえ、それだけっス。

<アベノ橋魔法☆商店街>
 なんだかんだで、結局前半はつまみ食いのような見方しかできませんでしたが、第七話は通しで見ることができました。これって、構成自体がエヴァの「ネルフ誕生」のパロディ、って感じですね。
 アベノ…のエンディングといい、クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」といい、「プレおたく」(おたく、という言葉が成立する以前から、そういったことにのめり込んでいた連中。年齢的には40代後半辺り)世代を意識した作品が、商業的にペイしだしてきた、ってことでしょうか。

<あずまんが大王>
 正直言って、私にはこれのどこが面白いのか、よく分かりません。原作(4コマ?)を読んでないせいもあるかもしれませんが、なんか、ふつうに弱い立場のものが、ふつうにひどい目に遭ってるという具合に、現実のありようがカリカチュアライズなしに、そのまま描かれているだけ、という印象です。
 今の若い人たちは、これで普通に笑えるのだろうか…。
(えっと、「大阪」は別です。ただ、これは個人技なので…)

追補:何回か見て(結局見てんのかよ>私)、なんとなく方向性が分かってきました。やっぱり「次世代型吾妻ひでお」なんでしょうか…。(作画は別の意味で、色々試してる気はしますし…)(2002/06/16)

<りぜるまいん>
 一方で、理解はできるものの、これでいいのか、というのがこれとか、続けてやってる「くるみ」とかですが。(とはいえ、さすがに実写版「くるみ」はギブです(^^;)。)
 以前BSマンガ夜話で、岡田斗司夫氏が「少女マンガで、どろどろとした三角関係をシミュレーションしながら鍛えられている女の子に、バカマンガ(注)に嬉々としている男の子が、かなう訳がない」という趣旨のことを言っていましたが、「メイド・妹ものマンガ(アニメ)」に頭まで漬かっている男の子は、なおさら太刀打ちできないでしょう…。

注)BSマンガ夜話「ベルセルク」の回で、岡田氏が提唱したマンガのジャンルの一つ。バトルもので、理屈(客観的な事実関係)ではなく、もっぱら根性(主観的な意志の力)で勝敗が決まる、という特徴を持つ。具体的には、ベルセルク、聖闘士星矢、魁!男塾など。
(2002/05/25)

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 アドゥレセンス黙示録

 Kids Stationで、ウテナの劇場版見ました。
 TV版(以下、本編)に比べてメタファー度がさらにアップしてますねぇ。ボケボケッと見てると、何がなんだかさっぱりかも。

 冒頭、アンシーのキャラデザが本編と変わってる(目がまん丸)な、と思ったら、クライマックスではアンシーが主役と言っていいくらいでしたね。(もっとも、本編でもラストのシメはアンシーだったけど…)
 ただ、本編より(時間的に)短い分、冗長な部分をばっさり切り捨てて、おまけに言葉ではっきり説明しているので、テーマについてはより分かり易くなっている気はします。 (さすがに、言葉でフォローしないと通じないかも、という意識が制作サイドにあったのかな。)

 ただし、(交通標識も含めて)クルマってのはどういう意図があるのでしょう。 (いや、進むべき道と進むための駆動力としての象徴、というのはいいとして、本編ではアンティーク(ぎりぎり?)カーという、別の意味を探りやすい設定だったのに比べて、という意味なんですが。)
 バックグラウンドに中世的なものを配しているのに比べ、(それよりはずっと歴史の浅いクルマは)小道具としてこなれきっていない気がするんですけどね、個人的には。

 どうもダイナミック感とスピード感に囚われすぎ、という気がするんですよね、最近の日本アニメって。
(たまにヨーロッパのアニメなんか見ると、はっきり分かりますね。)
 で、その仕掛け人って(意外なことに?)宮崎駿監督のような気がするんですよね。
(「魔女の宅急便」は先に原作読んでその後映画観たんですが、宮崎ワールドってなんなのか、片鱗が分かった気になりました。)

 絵的には、庵野さんがやりたそうな絵って印象でしたね。

P.S.
 同じくCSの、チャンネルNECOが放映した押井守特集で「トワイライトQ2 迷宮物件 FILE638」見ました(以前見たような気はするのですが、全く印象に残ってませんでした)が、あの構成ってエヴァの最終回そっくり(って、もちろん逆で「エヴァの最終回『が』そっくり」)なんですね。
 ただし「トワイライト…」の方が、意図的にやってる分スマートではありますが。

P.P.S.
 しっかし、なんて括弧の多い文章だ…
(2001/12/01)

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 ファーストインパクト

 何を今更、と言われそうですが、つい最近「神々の指紋」を読みました。

 勿論、初版当時大ブームになったのは知っていましたし、TV等でも取り上げられていましたから、そこそこ興味はあったのですが、私の場合、ずいぶん昔にエーリッヒ・フォン・デニケンの「未来の記憶」という本を読んで結構熱狂し、それがその後様々な情報に接するにつれて、何となく嫌気がさしてしまって、超古代史ものは長らく封印していたところがありました。

 ところがたまたま図書館で、神々の指紋とそのブームに乗って出版された類似の本をいくつか目にし、その中にコリン・ウィルソンの著作を見つけたことから、ちょっと興味をそそられて、この際だと思って片っ端から読んでみることにしました。

 読んでみると、どの著作も実例として挙げている世界各地の遺跡群や遺物のたぐいは、デニケンが取り上げたものと殆ど変わりありません。(おまけに、結論まで同じというのもある。トホホ...)

 ただ、(神々の指紋に関しては)それらをもたらした者が誰であるか、と言う部分がデニケンと決定的に異なるわけで、この結論はそれなりに整合性を持ったものだと思いました。

 ハンコックは南極大陸の移動の原因として、地殻移動なるものを持ち出していますが、この原因こそがファーストインパクトだったとすると、エヴァ世界と実にスムースに繋がることが分かります。(セカンドインパクトでも地軸がずれてしまったのだから、ファーストインパクトで同様な事態が起こったことは十分考えられる。)

 また、こう考えるとジオフロントを作った「我々ではない誰か」が誰であるのかも、自ずと判明します。

 神々の指紋の邦訳が出版されたのは'96.2ですが原著は'94.6頃に出ているので、エヴァの関係者が知っていたかは微妙ですが(南極大陸古代文明説は、以前からあったような気もしていますが、定かではありません。)、謎を解く鍵として南極大陸は、格好の場所なのかもしれません。

P.S.
 コリン・ウィルソンは、南極文明?を興した人々を象徴的に「アトランティス人」と呼んでいますが、そうすると今度は「ナディア」との絡みが面白そうです。
(2001/01/20)

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 第一話のレイ

 「Kids Station」に続いて、九月からは「ファミリー劇場」と、止まるところを知らない(CS)再放映ラッシュ…
 といっても、以下は二度目の放映が終わった「少女革命ウテナ」を見ていて思ったことですが…

 第一話の、街中でシンジが一瞬だけ見かけるレイですが、幽体離脱して会いに行ったとか、使徒の能力の一つだとか、さらには、第拾六使徒との戦闘で爆発したときのレイの意識が時空を越えて出現したとか、様々な解釈がありました。

 が、エヴァは、時間軸を自在に前後しながら進んでいくタイプの作品であることを考えると、あれはリアルタイムの時間軸に、もっとずっと後(たとえば補完の時)になってからのシンジの意識(回想)が、フラッシュバックとして巧みにオーバーラップされている、という見方もできるだろうと思います。

 さらに展開すれば、これはつまり、エヴァは始まった当初からすでに「補完の世界」だった、ということもできる訳で、そう思って見直してみると、また面白いかもしれません。

 そんなこんなで、新たな発見があるエヴァですが、結局また見てしまうんだろうなぁ…
(2000/08/26)

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 エヴァが内包する二つの矛盾点

 エヴァに関しては、以前から釈然としないものを感じていて、それはNifty SGAINAXフォーラム 邪推委員会 会議室を始め、このコーナーでも何度となく触れてきました。
 ところが最近、ようやく自分の中でも何に対して釈然としないのか、手がかりが見えてきましたので、少し述べてみます。

 まず一点目は、エヴァを「シンジ君の補完の物語である」とした場合、極論すれば「開始二十分で終わっている」というものです。
 シンジ君はこの時「逃げちゃダメだ」と言っています。これは即ち、彼は自分が置かれている状況を正確に把握し、かつ目指すべき方向もしっかり認識しているということに他なりません。
 よく「本当の○○は、自分が○○であることに気がつかない」といわれますが、彼には全く当てはまらない訳です。
 では彼に足りないものはなにか?と言えば、それは、目指すポイントにたどり着くための手段であり、テクニックな訳です。(一般には、それは「処世術」と呼ばれる。)
 ですが本編では、そのことには一切触れていません。
(ついでに云えば、過去に「エヴァは啓発セミナーだ」みたいなことが言われていたことがありましたが、全くの的はずれであることが分かります。なぜなら、啓発セミナーは、まさにそのテクニックを教えるためのものだからです。)

 二点目は、「(逃げる)対象の不在」です。これは、恋愛ドラマで言えば「ヒロインの不在」と同じことで、普通なら作品が成立しません。
 確かに逃げる対象として、父親がいるではないか、という考えもあります。ですが、これは単に図像として描かれているだけで、その意味するところについては、きわめて曖昧です。つまり、父親は「家族の象徴」なのか、あるいは「家族でない他者の象徴」なのか?両者には大きな隔たりがあります。
 仮に家族であるならば、エヴァは家族の意味を全く問うていませんし、情緒面に訴えるという、家族ならではの(逆に言えば家族にしか通用しない)解決法についても触れられていません。
 一方、家族でない他者、即ち「社会」だとすると(個人的には間違いなく「社会」だと思うのですが)、なぜかこれは全く描かれていません。まるで社会など、存在しないかのような扱われようです。
 これではシンジ君は、一体何から逃げようとしているのか、皆目見当がつきません。

 この辺を踏まえて、最終回の補完の場面をみると、まるで世界にはシンジ君一人しかいないかのようです。
 もし、世界に人間が自分一人しかいなかったら「逃げる」必要はありません。また、仮に「逃げている」と感じ、それを「どうにかしなければならない」と考えたとしても、自分自身に問いかけることで、出てきた答えに絶対的意味を見いだすことが可能です。
 座談会(注1)での「(逃げちゃダメが最終話では)もう逃げてもええことになってた」というのはけだし名言ですが、まさしくこれは、上述の状況だからこそ可能だった、と言えます。

 こう考えれば、エヴァという作品が迷走を続けたのも理解できます。
 しかし、だからといって、この作品に意味がないというつもりは、全くありません。
 なぜなら、現代社会が抱えている問題点を、作者の描き方の中に見いだすことができるからです。

注1:パラノ・エヴァンゲリオン(太田出版)P.153
(2000/05/06)

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 形態形成システム

 これもやはりKids Stationの再放映を見ていてのことですが、第弐拾弐話の零号機の整備シーンに、さりげなく「形態形成システム」というのが出てきます。
 これはおそらく、ルパート・シェルドレイクの提唱する「形態形成場」がベースになっていると思われますが、このこと自体は本放送時から気づいてはいたものの、単にガジェットとしての引用ぐらいにしか考えていませんでした。
 が、使徒が賢くなっていくことの説明に、これがうってつけなのに、ふと気がつきました。
 形態形成場については、シェルドレイク自身の著作を読んでいただくのがベストですが、非常に荒っぽいまとめ方をすると、「一度実現したことは、二度目からは、より容易に実現する」、言い換えれば、「場」が記憶、あるいは学習機能を持つ、ということになりましょうか。
 こう考えると、一見何のコミュニケーションも取っていないようようにみえる使徒同士も、場(空間)を通じて情報(経験)を得ていた可能性が高い、と言えるでしょう。
(2000/03/04)

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 Kids Stationアニメ

 CSのKids Stationは、地上局等で放送されたアニメの再放映もしているのですが、丁度今、エヴァを放送しています。既にいやというほど見たのに、ついつい見てしまうのはなぜでしょう(^^;)。
 という訳で、久々に触発されたこともあって、同局で現在放送中のいくつかの作品について、少し記してみます。

<デュアル!ぱられルンルン物語>
 これはどうみても、エヴァのパロディですね。(もしくは、プロが作った同人ビデオ、あるいは「オレならこう作る」という見方もできる。)
 ただ、これを見てから改めてエヴァを見ると、エヴァって一貫して、あるトーン(重い、暗い、に近いが微妙に違う。ある種の低周波or通底音のようなもの?)を持っているのがより鮮明になるようで、面白いです。

<少女革命ウテナ>
 これ、本放送はほとんど見てなかったような気がしていたのですが、割と初期の回から記憶にあって、ちょっと驚いています。
 テーマの一つはサイキック・リアリティなんでしょうが、いずれにしても、個人的にはこういうメタファーだらけの作品は、得意ではないです。
(まぁ、この作品からは、少女マンガ(アニメ)に対するある種の悪意(というと語弊があるが、醒めた感覚みたいなもの?)を感じますので、「一見メタファー」も実はフェイクなのかもしれませんが…)
 しかし、カレーの一件は、やはり樹璃様が関わっているのだろうか…(^^;)

<鉄コミュニケーション>
 ハルカって、やっぱりアスカだよなぁ。あ、いえ、それだけです。(まぁ、あくまで外見の話ですが…)

<鋼鉄天使くるみ>(これのみWOWOWで放送。ただ流れからして、いずれKidsでも?)
 水辺で佇む主人公の前に現れた、淡い髪の、訳知り顔の少年(と思ったら、少女だったのね)。覚醒すると現れる?天使の翼。
 ポストエヴァを感じさせます。
(しっかし榎本温子ちゃんってうまくなりましたね。カレカノの時はモノローグは抜群だけど他(特に絶叫系)はちょっと、と思ってましたが、格段に良くなってます。)
(2000/02/26)(2000/04/15追補)

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