ジェット迎撃戦闘機


経緯

 第二次大戦後、ドイツの脅威は去ったが、新たに共産圏の脅威を感じはじめたイギリス空軍は、高空を高速で飛来する爆撃機を迎え撃つ戦闘機を開発するべく、ブラックバード、ポーカーの2社に試作を命じた。
 本機はブラックバード社の案である。

 ブ社のビュフォード技師は、これからはジェットの時代であると考え、はじめからエンジンはジェットと決めていた。
 彼が目をつけたのは、当時試作中だったZ社のXであった。これは「当時としては」コンパクトで高出力が売り物だった。ただし、高出力とは言っても、単発では要求を満たすだけの性能が期待できないため、双発化は避けられなかった。

 問題はエンジン配置にあった。
 高い機動力を得るためには、エンジンはMe262やミーティアのように主翼に置くのではなく、胴体内に置きたい。当初は、無難に左右に並べる案が有力であったが、前面投影面積がどうしても大きくなってしまうため、思い切って縦に並べることにした。

 空力面から言えば、理想的なのは2基のエンジンを同軸上に直列に配置することだったが、これでは前のエンジンの排気と後ろのエンジンの吸気の処理が問題となる。
 そこでとられたのが、上下に半分ずらして置くという方法だった。これで、給排気の問題を避けつつ、前面投影面積も減らすことが出来る。事実、単発機の1.5倍に抑えることに成功した。

 完成した試作機のテストにより、後ろのエンジンのエアが不足することが判明した。が、これは当初から懸念されていたことではあった。

 結局インテイクを広げ、前部エンジンに大径ファンを装着してエアを圧縮して後部エンジンに送り込むことにした。これはターボファンの先取りとも言える発想である。
 その結果として、機首の直径が異様に大きくなり、全長が短い所為もあって、シルエットはまるでアンコウのようになった。

 結局、前面投影面積上の利点は薄れ、また、エンジンが所期の性能を発揮しなかったこともあって、思ったほどの上昇力が出ず、燃費の悪さと離着陸時の不安定さにより、試作のみに終わった。

<特徴>
・30mm機関砲を3門(左右と下)装備。
・前脚は、左にオフセットされている。(機関砲と干渉しないため。)

諸元

・全長:?m
・全幅:?m
・エンジン:
・乗員数:1

各部詳細