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 新世紀エヴァンゲリオン 蘊蓄コーナー
 過去の蘊蓄('05〜'04)

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 ネガドン

 「惑星大怪獣ネガドン」見ました。

 巷の評判がよいので、期待して見たのですが、「う〜ん」という感じ。
 初期の怪獣映画の再現、みたいなことが言われていますが、全然違うと思いました。

 確かに、一見するとそれっぽい感じもあるのですが、それは外見がレトロ&レトロフューチャー(それも借り物。ただし、意図的にそうしている?)というだけで、初期の怪獣映画をシミュレートしたものとは言えません。
初期の怪獣映画のキモは、所謂「特撮(ミニチュアと操演)」にある訳で、そのテイストは微塵も感じられない。
 なんでも、監督さんがこういう作品を作りたいと思う切っ掛けとなったのは、平成ガメラシリーズだそうで、実際、まさに平成ガメラシリーズのテイストと言えます。
平成ガメラシリーズ(の特に第一作)は、旧来の特撮の延長にありながら、その精度を極限まで高めた次世代型特撮(注1)であり、それ以前とも、またそれ以後のCG一辺倒のVFXとも一線を画す、特異な存在。

注1:特技監督である樋口真嗣氏の功績が大であるが、この貴重な財産が今後どのように継承/発展していく(いかないorいけない)のか、気掛かりではある…
 ストーリー的にも「宇宙から飛来する怪獣に、人型ロボットで立ち向かう」というパターンは、初期の怪獣映画には存在せず、このあたりも最近の作品(またはアニメ?例えば(多少ズレるが)サクラ大戦とか)の影響下にある印象が拭えません。

 とはいえ、本作も「ほしのこえ」同様、風穴をあける作品としては貴重な存在であり、今後、本当の意味で「初期の怪獣映画」を再現(注2)してくれる作品が現れることを期待したいです。
注2:例えば、飛行機を吊るしているピアノ線を描き込む。勿論、CGでは無駄手間以外の何ものでもない。あと、個人的には、屋根瓦が舞い上がるシーンを希望。
(2005/11/19)

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 BSアニメ夜話(その7)

 里アナウンサーが司会、岡田氏が御意見番という、ガンダム特番と同じつくりで、今後はこのスタイルかな?
(でも、依然ギクシャク感は否めない…。さて、以下、敬称略)

<ほしのこえ>

 「一人で作ったにしては」という但し書きがつくのは致し方ないのかもしれないが、こういう作品こそ、結果の善し悪しのみに着目して評価するべきだと思う。
 そうしないと「掛算九九のできる3才児を『天才』ともてはやす(注1)」のと同じで、騒いだだけで終わり、になりかねない。
注1:「大人にとっては普通のこと」が出来るのは「天才」ではなく「早熟」
 印象に残ったのは、「作者はロボットアニメを殆ど見ていない」というコメントに、斎藤環が、思わず「エヴァンゲリオンも?」とツッこんだこと。(私も新海作品って「心電図(注2)がエヴァと同じだ」と思った一人。)
注2:作品が持っている固有の生理的リズム。ビート(心拍数)だけでなく、波形も含む。
<劇場版 少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録>

 文句なしに、今までの最高傑作。
 アニメ夜話も作り方次第でここまで出来る、ということを証明したのは大きい。
結局のところ、出来を左右するのは人選に尽きる訳で、マンガ夜話でいしかわじゅんが、常々「編集者の一番の仕事は、誰(漫画家)を選ぶかだ」と言っていたのが思い出される。
 「男が作る少女アニメ」論については持ち越しになったが、「なぜ車なの?」を始め、少なからぬ疑問が「解けた」のは収穫。(「納得」はまた別の話)
女性から見てどうなのよ、については、小谷真理がヒントになることをいくつか言っていたのが参考になった。まぁ、アニメの場合はスタッフの中に当然女性もいる訳で、完全に男の感性という訳ではないのかも。
<うる星やつら (TVシリーズ)>

 例によって、焦点の絞りきれていないパターン。
 通常クォリティ。


 なんか、今までより次回が楽しみになったなぁ…
(2005/10/29)

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 BSアニメ夜話(その6)など

 iTunesが5になって歌詞を持てるようになったので、ネットから歌詞を自動取得してくれるWIDGETを入れて取り込んでみたところ、石田よう子ちゃんの「乙女のポリシー」がヒットしたのに、ちょっと吃驚。

 とはいえ、アニソンのヒット率はそれ程高くないため、手入力せにゃあかんのかと思ったら、あにはからんや。歌手名と曲名、それに歌詞の一部(2番以降の方が確率が高い)でGoogle検索してみると、次から次へと見つかります。(ただし、意外と替え歌が多いので要注意)
 みんなチャレンジャーやなぁ…。(かつてのNiftyフォーラムでの歌詞書き込み禁止令を知っている身としては、ね。)

 話題変わって…
 マンガ夜話は、本当に終息してしまったのだろうか…
 は、さておき、「終わった」と感じつつも、一応、次回アニメ夜話雑感など。(以下、敬称略)

<ほしのこえ>

 以前、作者が教育テレビ「トップランナー」に出演されていたのを、たまたま拝見。(Mac使いでしたね。)
 で、こういうのが出てくると、「皆さんにもチャンスはある。後に続こう」みたいなことが必ず出てくるが、実は「こういうのこそ、お手本にならない」というお手本。

 実際、こういった例は「成功は偶然、失敗は必然」の故事のとおり、数多くの偶然(もちろん「不幸な」ではない)が積み重なることで実現しているのであり、そんな偶然は計算できる訳がない。

 日本も産業として活性化するなら、大学レベルでの教育の充実とともに、一般アマチュアの作品を(幸運頼みではなく)きっちり吸い上げる機構を整備すべき。
(一種の、アーティスト向けハローワーク。持ち込み原稿を審査して、脈がありそうなものを出版社やテレビ局に売り込む。もちろん、審査側の人材確保がキーになるが、定年退職した、出版社の編集者やテレビ局のプロデューサを迎えれば、高齢者雇用対策にもなるし、一石二鳥。)

<劇場版 少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録>

 作品の印象は、以前書いた通り。

 少女マンガはずいぶんと前に、書き手が男性から女性に移行していった訳だが、少女アニメは、依然として「男が作る」もののようだ。(寡聞にして、女性の監督というのはほとんど知らない。作画監督は多いようだが…)
かつては、横山光輝(魔法使いサリー)、赤塚不二夫(ひみつのアッ子ちゃん)、松本零士等、男が少女マンガを書いていた。
 というか、少女アニメとは「少女が主人公のアニメ」「少女マンガが原作のアニメ」であって、「少女のためのアニメ」ではないということか?(つまり、ターゲットは男性ってこと?)

<うる星やつら (TVシリーズ)>

 これまた語ることの多い作品で、収集つかなくなる予感。
 個人的には「絵は後期の方が好きだが、エピソードは前期の方が面白い」という印象がある。

 原作はほとんど読んでいないので、どこまでが高橋留美子のセンスで、どっからが(押井守ら)アニメ側のセンスなのかを解説してくれると有り難い。

 あと、これって確かスタジオがいくつも変わっている筈なので、スタジオ論になるかも?
(2005/10/15)

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 イノセンスとアニメ夜話など

 なんか、アニメ夜話は(私の中では)終わった気がします。
 今後も録画だけはしていくと思いますが、多分見返すことはないでしょう。
(BS音盤夜話、復活してほしい…、ボソッ)


 さて、CSで「イノセンス」見ました。
 押井監督への(ちょっと長めの)インタビュー付きで、まぁ、こっちの方が面白かったという言い方もできますが…

 以下、雑感など。

(1) 随所に「ブレードランナー」または原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を彷彿とさせる描写あり。なんで今?

(2) 3DCGを多用しているのは、時代の趨勢から止むを得ないのかもしれないが、押井にしてこれかと思うと、一抹の寂しさが…

3DCGは厳密な数学的演算により成り立っている訳だが、プラモデルの世界では昔から「正確に縮小したモデルには実物『らしさ』がない」と言われているように、現在の「正確な遠近法」には、ある種の居心地の悪さを感ぜざるを得ない。今後、例えば「金田パースをシミュレートする座標変換ソフト」のようなものが出てくれば、多少は解消されるのか。
(3) 電脳世界を「人形」というメタファー(というか、端末の物理(力学)的動作を見せることで、背後にある電子的世界を感じさせる?)に落とし込んでいるあたり、トロン〜マトリックス後であることを考えると、ある種、先祖返り的ではある。そこを、造形的な部分で補ったということか?

(4) インタビューは面白かった。いちいち頷ける内容だが、随所で真意を理解してもらえなかった経験?からか、(単に口下手の範疇を越えて)喋りずらそうにしている辺りが一番印象的。

(5) インタビューで言いたかったのは「人は、かなり表面的な部分で世界を捉えている。そこを一歩踏み込むと、事態は途端に混沌としてくる」というようなことか。(まぁ、それを描いたのが「アンドロイド…」なので、多少オマージュ的な面もあるのかも。)

人間は「いったん解体して内部世界に取り込んだ後に再構築したもの」を外部世界とみなしているが、多くの人はそのことを意識していない。しかも、その一つ一つのフェイズで、取りこぼしや誤認識、誤変換を積み重ねているために、「共通認識」というものを事実上持ち得ないでいる。(エヴァの場合はこれをATフィールドと表現していた訳だが)

 次回作は、ワリバシがどうとか言っていたので、「ミニパト」みたいな作品になるのかな?
(2005/07/23)

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 BSアニメ夜話(その5)

 第4弾が告知されました。

 ラインナップを見ると、ピックアップの基準が良く分からなくなってきましたね。
 マンガ夜話が「広く浅く、作者やジャンルが重複しない」ように気を配っているのに比べ、とにかく、作品が面白ければ多少カブってもいいという考えなんでしょうか?

 では例によって、それぞれの作品の印象と展開予想を簡単に。(以下、敬称略)

<未来少年コナン>

 とりあえずNHK物ということでの選択か?
 宮崎駿関連作品は3作目ということになるが、全部やる気?
(とは言え、ジブリ以降はいろいろ難しそうだから、これで打ち止めかも。)
 内容についてのコメントは、じっくり見ていないのでパス。

 でも、こういう「出演者全員が大好き」ってのが見え見えの回って、あまり収穫がない気がするのよねぇ。

<劇場版 エースをねらえ!>

 初見はテレビの映画劇場だったと記憶しているが、けっこういい出来、という印象が残っている。
 以前、マンガの方が夜話で取り上げられた時は、テニスシーンは記号であって動きにリアリティがない、というような指摘があったが、その点アニメは出崎パワーで乗り切った感がある。
 にしても、典型的な出崎モノということで「あしたのジョー」と丸カブりな訳だが、語ることはあるのか?

 あるいは「少女マンガをアニメ化すると、少女アニメになるのか?」といった形而上学的考察でも始めるのか?

<超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか>

 マクロスを取り上げてくれるのは嬉しいが、劇場版というのが微妙。
「テレビが当たって、その勢いで劇場版」という、作りとしては999なんかと同じ構造で、微妙に設定を変えている(つまり、単なる総集編ではない)辺りも同じ。
 テレビ版では、割としっかりした考証の後が見受けられる反面、宇宙空間でバルキリーが空母の甲板を滑走して発進するというような無茶もやっていたが、劇場版はそつなくまとめられている。

 美樹本キャラは、安彦キャラに輪をかけて動画に不向きで、テレビ版ではぐずぐずになってしまったが、劇場版で充分鑑賞に堪えられるようになっている辺りは、さすがに本人が作画監督を務めているからか。

 ちなみに、公開時のエンディングのバックが真っ黒なのは、作画が間に合わなかったためで、後に「フラッシュバック2012」で新たに起こされたのは有名。(最終的には(一部が)本編と合体したバージョンも存在している。)
 もう一つ、エンディングテーマの「天使の絵の具」は、飯島真理のセカンドアルバムでは吉田美奈子によってスローバラードとしてアレンジされていたが、本作では清水信之によってアップテンポに再アレンジされている。(始め、同じ曲とは気づかなかった…)
 音楽といえば、公開前?に「愛・おぼえてますか」を初めて聞いたとき、なんてちんたらした曲なんだ、って思った(注1)が、本編の中では凄く良くマッチしていて、吃驚した覚えがある。
注1:当時の加藤和彦ならもっとブッ飛んだ曲が書ける筈なのに、手抜きか?と思ったくらい。今思うと、テレビ版のハネケン(羽田健太郎)がキレ過ぎていて(「私の彼はパイロット(注2)」なんて、アニメ史上の最高傑作だと思う。)、そっちに引っ張られていたからそう感じたようだ。

注2:本編では1番しかないかのようだが、(後付け感は否めないものの)後にリリースされた「SONG COLLECTION」には2番が収録されている。
 一方、絵では、クライマックス直前の、ミンメイがベンチに後ろ向きに座っていて、衝撃で左手をつくシーンが最高!

 最後に、前回声優のゲストはいらないと言っておきながら、ではあるが、ゲストには是非、まりんを呼んでいただきたい。
(2005/05/21)

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 BSアニメ夜話(その4)

 第3弾見ました。
 時間が55分に短縮され、ますます窮屈に…

 ここにきて、ようやく(遅すぎ?)この番組の問題点が見えてきました。それは、出演者に万遍なく発言させている(それも、問われて答える、という形になっている)こと。
 その点マンガ夜話は、他人を遮ってでも言いたいことがある人を優先させている(おかげで、泣いて帰るゲストが多いとか)ので、印象に残りやすいんだと思います。(それだけ大月隆寛氏の仕切が卓越しているということか。)

 では感想をば。(以下、敬称略)

<新世紀エヴァンゲリオン>

「宮村優子、顔変わったな」というのが最初の感想。
 散漫どころか、宮村の暴露話(とはいえ、殆どが既報)位しか印象に残らなかった。

 唯一最大の収穫は、滝本竜彦(浅学にして、存じませんでした)。彼は、
「言葉というものは世界の半分しか記述できない。また、テレビはその半分に寄りかかって成立している(注1)。だが、自分が表現したいことは残りの半分の側にある」ということが(多分)分かっていて、そのあたりの葛藤が、まさにエヴァが投げかけたテーゼとシンクロしているようで、興味深かった。
(彼の様子を見ていると、所謂「おたく」がいかに無害な存在であるのかが分かる。特効薬は同時に劇薬でもある、ということか。)
注1:テレビというのは映像のメディアと誤解されがちだが、本質は音(言葉)にある。その証拠に「絵を消して音だけ」と「音を消して絵だけ」のどちらの情報量が多いか、簡単に実験で確認できる。
 純文学云々に関しては、元々エンタテインメントの歴史のない日本(注2)では、逆に意識して排除しない限り、自然に文学に流れる、というだけのことでは?
(そもそも日本は、アニメに限らずキャラクタ至上主義(この時点で文学に片足つっこんでいる)であり、よって良質なストーリーテリング(テラー)が全く育っていない、というのが(特に映画が)世界に出ていけない理由だと思う。このことに韓国や中国が気付いているとすれば、日本のアニメに明日はない?)
注2:エンタテインメントは、そもそも、大衆に不満が溜まると時の政権を討ち滅ぼす方向に進む民にとっての不満解消装置の一つ(ローマ帝国における「パンとサーカス」は有名)な訳であり、そうでない方の民である日本では純然たるエンタテインメントは存在せず、比較的近い「芸能」も、ルーツは神事にある。そのため、日本人にとってエンタテインメントは無意識のうちに滲み出てくるものではなく、模索するものになってしまっている。(まるで、第六話ラストの綾波のようだ…)
<映画クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲>

 岡田のシャツ、の話は置いといて…
 岡田のホームページによると、どうも(編集のせいで)収録時の様子が伝わっていないらしい。
 おかげで?、思った程には印象に残らず。

<新造人間キャシャーン>

 この回が最も予測がつきにくかったが、結果は吉。一番面白かった。
 やっぱ、(画の方の)現場の人が多いと、盛り上がるなぁ…
 竜の子作品はマンガで見られないと言っていたが、確か、九里一平(吉田竜夫の弟)が少年マガジンで「忍者部隊月光」を連載していたのではなかったかな…


 最後に、再び提言など。(ここで言っても詮無いことは承知)

(1) テーマは1つに絞る。(例えば、エヴァなら「テレビ版最終2話」、しんちゃんなら「ケンちゃんチャコちゃん」、キャシャーンなら「竜の子プロ」とか。)
(2) 出演者を減らす(とりあえず、声優のゲストはいらない)。また、ゲストとレギュラーの区分をはっきりさせる。
(3) できれば生放送で。
(4) やはり、岡田は語る側に回し、司会は別に。(NHKのアナウンサーに、隠れ?アニメファンは居ないのかな。)
(2005/04/02)

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 BSアニメ夜話(その3)

 3/28から、第3弾が始まります。
 今回は3タイトルということもあってか、NHK物が抜けていますね。

 では例によって、それぞれの作品の印象と展開予想を簡単に。(以下、敬称略)

<新世紀エヴァンゲリオン>
 このタイミングで取り上げるのはちょっと吃驚。
 まだ番組のスタイルもはっきり固まらない段階で取り上げるということは、逆にスタッフ側に、作品に対する思い入れがそれ程ない、ということか。
 総括する必要もないのでしょうが、敢えて言うなら、

『欧米型父系社会における親子の相克(注1)を主題として始めたものの、東アジア型母系社会に帰属する(監督も含めて)日本人スタッフはついていけず、結局「(逃げちゃダメが)もう逃げてもええことになってた(注2)」という、主題のすり替えが起こってしまったがために、何ともバランスの悪い作品に仕上がっている』
注1:この場合の親子は、母・息子でも父・娘でも母・娘でもなく、父・息子でなければならない。即ち、「息子は父を殺し、母を娶る」というエディプス・コンプレックス。ちなみに「ハリウッド映画の描く親子の相克は、ほぼ全てが父・息子」というのは某HPの受け売りですが、確かにそう思う。一方、日本では息子が簡単に娘に置き換わってしまうことや、乗り越えるべき相手が誰なのか判然としないものが多いことをみても、いかに身についていないかが分かる。

注2:パラノ・エヴァンゲリオン(太田出版)P.153
といったところが、最近の個人的見解。
 勿論、「バランスの悪い作品、即ダメな作品」というわけではなく、逆に、多くの(異質の)人を引きつける要素になっているんだろうと思う。
 番組の展開としては、ガンダムの回以上に散漫なものになりそうな予感。

<映画クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲>
 クレヨンしんちゃんの劇場板は、結構評価している。
 ドラえもんもそうだが、「子供にフォーカスして、そこから社会全体を見渡す」という切り口は、作品を作りやすいのかも。
(理想主義vs現実主義は、大人同士でやるより子供vs大人とした方が、より自然に見える)
 なぜオトナ帝国か、といえば、大阪万博がモチーフであるからでしょう。(明らかに岡田氏の趣味(笑)。)
 なんとなく、今回のシリーズでは最も収穫の多い回になりそうな予感。

<新造人間キャシャーン>
 この辺りの作品(群)は、初回オンエアから再放送も含めて未見なので、内容に対するコメントは控えたい。
 ただ、東映動画、虫プロときて、竜の子プロ作品となれば、監督論とは別にプロダクション論という軸が見えてきた気がする。
(となると、「うる星やつら」は間違いなく取り上げられるか。)
 この回はゲスト次第で、盛り上がり方が大きく左右される予感。
(そういえば大槻ケンジが、マンガ夜話(パタリロの回)の時に、ゲスト出演するようなことを言ってたような…。)
 ところで、この辺りの作品(群)は様々なジャンル分け(SFとか、ヒーローとか)が可能だとは思うが、「バカマンガ(参照)」ならぬ、「バカアニメ」が相応しい気がする。
(2005/03/06)

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 BSアニメ夜話(その2)

 第1弾が終わりましたね。
 概ね予想どおりでしたが、まだ少し、ギクシャクした印象です。尤も、マンガ夜話の最初の頃も似た感じでしたが。
 まぁ、前回でも述べたとおり、マンガに比べて語るべき内容が多岐に渡っているので、薄くなるのはやむを得ないかもしれませんが。
(岡田氏のホームページによると、第2弾で構成が変わるそうですが、しばらくは試行錯誤が続くかも。)

 以下、ざっと雑感など。

(1) 題字が島本和彦氏なあたりに(特に岡田氏の)意気込みが感じられてナイス。

(2) マンガ夜話ほどの緊張感がないのは、収録なのと、いしかわ氏(の役割)の不在。
 本来なら、岡田氏がその役に適していると思うのですが。
(ただ、他に司会の適役がいるかと言われれば…ですが。)

(3) アシスタントには、オッドマンの役割を期待しているのかもしれないが、とにかく時間が限られているので、「アニメ素人に分かり易く」という部分はこの際切り捨てていいのでは?(とりあえず、「萌え」の解説なんかは不要)
(そういう意味では、(中堅クラスの)声優がいいのでは?)

(4) 氷川竜介氏のコーナーで流れが分断されてしまって、散漫度がさらにアップしている。
(ただし、これはこれですごく面白いので、教育テレビあたりでじっくり見たい。)

 そうこう言っているうちに、早くも第2弾が決定。マンガ夜話を押しのけての連投というのは、視聴率が良かった証でしょうか?
 また、4作品のうち1〜2作が劇場版で残りがテレビ版、テレビ版のうち1作がNHKもの、という構成が定番化していくのでしょうか?(OVAはどうなんだろう。いずれ取り上げるのかな。)

 では今回も、それぞれの作品の印象と展開予想を簡単に。(以下、敬称略)

<機動警察パトレイバー(劇場版)>
 宮崎駿と双璧をなす、押井守論(というか、氏の理屈)が中心になるのか?(なって欲しい)
 作品自体は傑作の呼び声が高い(私もそう思う)分、作品の解説のような方向に行ってしまうと、案外得るところは少なくなるような気がする。
 (直接の関係者であるところの)出渕裕が台風の目となるか?

<アルプスの少女ハイジ>
 最近はCSのどこかの局で放映していることが多いので、時々目にする。
(ちなみにハローキティ版のハイジもあるので、キティラーはこっちの方が2倍楽しめるが。)
 現在のアニメ隆盛の基礎を作った(その後有名になったアニメーターが何人も参加している。)作品でもあるので、そういった歴史的な話が中心になるいのか?
 あるいは、宮崎駿の師匠格である、高畑勲論になるのか?

<ふしぎの海のナディア>
 岡田は、この頃はまだガイナに居たんだったかな?
 ガイナを含めた制作裏話になるのか、無難に、庵野秀明センス論になるか?
(漏れ伝わるところによると、NHKは「金も出すが、口も出す」だったようで、どこまで切り込めるかで、面白度が決まりそう。)
 もしくは、いずれ取り上げる予定がなければ、事実上エヴァ談義になってしまうかも。

<機動戦士ガンダム>
 当時、荒唐無稽が当たり前だったロボットアニメに、(他の作品に比べれば)リアルな設定を持ち込んだ(おかげで地味になりすぎて、途中打ち切りの憂き目を見た)異色作で、語るべきことは山ほどある。
 ガンプラが一大ブームを巻き起こしたことで、その後のキャラクタビジネスを一変させてしまったという辺りまで話を広げると、ますます収拾がつかなくなるか?
 まあでも、結局は富野由悠季論になりそうな予感。

 という訳で、今回は全編監督談義になってしまうかも。
(2004/10/16)

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 BSアニメ夜話

 BSマンガ夜話に続いて、BSアニメ夜話が始まるようです。

 第1弾は9月6日から4夜連続、作品は「銀河鉄道999(劇場版)」「ルパン三世・カリオストロの城」「あしたのジョー」「カードキャプターさくら」の4作品。
(当初挙げられていた「ガンダム」は、第2弾に廻された模様)

 司会は岡田斗司夫氏で、出演者には現役の監督も名を連ねています。
 ただし、彼らがマンガ夜話での、いしかわ氏のように、返り討ち覚悟でズバズバ切り込んでいくのか、それとも単に仲間を擁護する方向に行くのか、その辺は不明です。

 また、マンガの場合は作者が個人(または人格化が可能な小集団)なので、作者を語るという切り口もある訳ですが、アニメの場合は、一般には複数の担当者による分業制のため、特定の個人を語ることが可能なのか、という側面もあります。
 さらに、アニメの場合は(特にマンガの)原作付きが多いので、終わってみれば単に原作を語っていただけだった、という罠もあります。

 一方、期待したいのは技術論です。それも、純粋に表現としてのテクニックと、経済性を追求した結果としてのテクニックの両面で。
(欧米人の場合は問題が起こるとそれをシステムで解決しようとするが、日本人の場合は(天才というよりは)名人が技を編み出して乗り越えようとする、という一般的傾向があって、アニメもその例外ではない。)

 以上のように、ともすると焦点がボケるおそれがマンガより高いので、逆に興味深いとも言えるでしょう。
 では、それぞれの作品の印象と展開予想を簡単に。(以下、敬称略)

<銀河鉄道999(劇場版)>
 公開時、劇場に見に行った。それも、確か夏休み時期だったため、周囲は殆ど小学生というかなり厳しい(笑)環境での鑑賞だった。
 原作者の松本零士はアニメにも一方ならぬ意欲をお持ちのようで、そういう「口も出す」原作者と制作現場との相克がテーマか?

<ルパン三世・カリオストロの城>
 言わずと知れた、宮崎駿初監督作品。ほとんど宮崎(技術)論で終始しそうな予感。

<あしたのジョー>
 日本のアニメを作り上げた一方の雄である出崎統と虫プロの話か?
(決めシーンに、セルではなく劇画タッチのイラストを使う、というのはこの人たちの発明だったような…)

<カードキャプターさくら>
 とりあえず、NHK制作の作品は1つは入れるということなのか。だとすると、早晩ナディアもあり?
(個人的には「だぁ!だぁ!だぁ!」希望、って、何を語るんだ…)
 テーマが今一つ読めないが、ひょっとして「萌え」か?


 最後に、エヴァ以外で、個人的に取り上げて欲しい作品を列挙しておきました。

<超時空要塞 マクロス>
 いろいろな意味で画期的な作品。
(1) プラモデルメーカーとタイアップ
 それまではおもちゃメーカーがついていたため、メカに精度を要求されることがなかった(どのみち忠実に再現できない)が、プラモデルメーカーがつくことで、メカのリアリティが格段にアップ。
(アーティスト集団である「スタジオぬえ」がメカデザインを担当し、その要請に応えたことも大きい。)
(2) スト−リーと音楽の一体化
 登場人物が聞いているという形で、音楽を本格的に取り込んだ最初?の作品。(主題歌やBGMは、視聴者には聞こえるが、登場人物には聞こえていない。)
 そのため、ヒロインにはプロの声優ではなく、歌手の卵であった飯島真理を起用。(声優を引き受けたらソロデビューさせてやる、とかあったらしい。ちなみに飯島真理は、マクロス以外では声優をしていない。)
(3) 放映中に延長が決定
 初代ガンダムを初め、途中打ち切りとなった作品は数知れないが、延長というのは極めて珍しい。(視聴率、タイアップ商品の売り上げとも好調だったらしい。)
 おかげで最終部分のストーリーはまさに「取って付けた」もので、必ずしも延長が作品のクオリティを上げる訳ではないことを証明する形になった。
(4) 韓国での作画
 今では当たり前の、韓国での作画を本格的に導入。
 当時のレベルは、今と比べれば相当つらいものがあるが、その先に今日がある訳だから、功績は大きい。

<装甲騎兵 ボトムズ>
 数あるロボットアニメの中で、一番好きな作品。
 作画やメカデザインは、はっきり言って凡庸だが、なんといっても世界設定が素晴らしい。
 ロボットアニメは(タイアップの関係もあって)低年齢層向けが主流のため、いわゆる「バカ系(参照)」が圧倒的に多いが、これは数少ない「利口系」。
 特にクメン編は、気候風土が人に与える影響をきちんと描き出した、という点で秀逸。
 いずれにしても、高橋良輔は語っていただきたい監督の一人。

<妖獣都市>
 ふつう小説を映画化すると、なかなか小説を越えられないのだが、これはアニメが小説を越えた数少ない作品。
 当時、超売れっ子だった菊地秀行が(おそらくは時間の関係で)書き飛ばした小説を、きっちり再吟味してまとめ上げた、川尻善昭監督の手腕はさすが。
 日本よりは(?)アメリカで川尻人気が高いのは、単にキャラが欧米向きというだけではない筈。
(2004/08/14)

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 最近のアニメ(2004年3月編)

 ここ最近は、割と興味を引かれるものが多くて、深夜枠でもいくつか録画していましたが、結局残ったのは下記2作品と「R.O.D」だけ。
(UHF各局は12:00前後に集中しているので流し見が多く、逆に印象に残らない。)

<攻殻機動隊 SAC>
 とりあえず撮り置きモードなので、殆ど見ていませんが、素子のキャラが多少原作寄りに書き換えられていますね。やはり、劇場版の設定では一般受けしにくい、ということなのでしょうか。(フチコマ タチコマも出てくるし…)
 そういえば「イノセンス」だけでなく、「アップルシード」も公開されますね。過去にGAINAXがOVA化(LD持ってる)してますが、今回のは3Dベースのようです。
 ただ、予告編をちらっと見た限りでは、どうも自分のテイストではないようです。(というか、今まで3D物でテイストの合ったものは、一つもない…)

<ギルガメッシュ>
 原作を読んでいないのではっきりしたことは言えませんが、大分アレンジされているようです。
 そう思ってみると、構成やビジュアル面等で、随所にエヴァを彷佛とさせるものが…
 原作の発表が1976年ということなので、当然エヴァの作者達も(直接的でないにせよ)その影響を受けている可能性は高い訳で、因果は巡る、といったところでしょうか。
「オーバーテクノロジ物は、オーバーテクノロジ自体には深入りしない」という昨今のトレンドに則っているせいもあって、難解という評価もあるようですが、この作品のキモは、(幻魔大戦もそうですが)石ノ森章太郎作品の永遠のテーマといっていい「姉」にあると思われたので、そこに着目していたら、お姉さん、死んじゃいましたね。どう展開するのだろう…
(2004/02/28)

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